痛みのメカニズム

 今回は痛みのカニズムについてお話したいとおもいます。

 痛みは人間の感覚において、生命機能や防衛のためにとても重要な働きがあるんです。

でも、痛みがあると正直しんどいですよね。痛いだけで気分が下がり、動きも小さく、ゆっくりになり、できる事なら動かず寝ている方が楽になると思ってしまいますよね。

 たしかに痛みの種類によっては安静にするべきであることもありますが、普段の生活においての腰痛や肩こり、首コリ、不安感などは果たしてどうでしょう?動かず安静に静養している方が良くなる?それとも多少動いた方が良くなる?

 正直、それを聞かれても大抵の人は答えることはできないと思います。

 また、痛みには強い痛みもあれば、弱い痛みもある。長い痛みもあれば、短い痛みもある。

 痛みの種類にはさまざまあり、これらの理由を知っている人はほとんどいないと思います。

 

 ですが、今からお伝えする痛みについての知識を持っていることで痛みに対する向き合い方が変わるに今日からの生活では役に立つに違いありませんよ!

 

 無料イラスト 腕が痛い(擬音あり)

 

痛みは痛覚受容器の興奮によって生じる

痛みがどのように伝わるかという道筋は、痛みを感じるのは痛覚受容器が痛み刺激を感じ取るのです。痛覚受容器というのは、ここでは神経の端です(簡単に例を挙げると転んでひざを擦りむいた箇所と考えてください)。個々の部分に強い刺激(刺したり、切ったり、つねったり、叩いたり)があると痛みを引き起こします。あるいは痛みを引き起こす化学物質(疼痛物質)が疼痛受容器に触れると「痛み」という信号が、脳に上がって行きます。

その疼痛物質としては、以下の4つが代表的です。

ブラジキニン

セロトニン

ヒスタミン

プロスタグランジ

 

これらの化学物質の特徴を理解することは大変重要なことです。しかし、テレビなどではここまでは詳しく説明してくれませんよ〜〜。

 

 

《ブラジキニン(B K)》

<作用>

発痛作用

血管拡張作用(平滑筋)

血管透過性亢進作用→浮腫を引き起こす

 (発赤、局所熱感、腫脹、疼痛などの炎症)

・腎では、利尿作用、Na排泄促進

 

〜簡単な流れ〜

『損傷→傷を治そうとして(止血)血小板が集まる→BKが産生→痛み発生・透過性亢進(治りを早くする為)→痛い箇所に血小板などがより集中→かさぶたのようになるとそこの場所が硬くなり柔軟性が低下してしまう』

 痛みの原因である発痛物質も柔軟性を低下させる原因である血小板の成分も血液によって運ばれてくるということは、血流を確保する事が重要になってくる。

 筋肉の収縮は血管を収縮させる役割も担っている為、筋肉を動かす事で血流を促し、同時に身体が硬くなる事も抑制できる事ではないか??

 

 

セロトニン

・約90%が小腸に、約8%が血小板に、残り1〜2%は中枢神経系に存在している物質

・うつとも関係があり、下行性疼痛制御系にも関係がある

 

<作用>

・末梢作用→侵害受容器:発痛物質、炎症において痛みを強める

        血管:毛細血管透過性亢進作用、血管平滑筋収縮(内政動脈、側頭動脈)

・中枢作用→下行性疼痛制御系の伝達物質としての役割(痛みがこれ以上広がらないようにブロックする)例:運動中に捻挫をしても気にならず、試合が終わってから痛みが強くなるようなことは下行性疼痛制御機能が強く働いている状態であると説明できます

・痛み以外の末梢作用→血小板凝集、血管平滑筋収縮、消化器系の運動促進作用

・痛み以外の中枢作用→睡眠、体温調整、嘔吐などの整体機構を調整

 

〜簡単な流れ〜

『損傷→傷を治す為に血小板が集まる→血小板からセロトニンが放出→痛み増強→肥満細胞からもセロトニンが放出される→痛みがさらに増強、血小板を活性化させる』

 ブラジキニンと同様に、筋肉の収縮と身体を動かすことを利用して血流を促進させ、かつ柔軟性を確保していく事が重要。筋肉の収縮によって局所にある発痛物質を流す事で痛みの軽減が図れる。

 また、うつの人やその傾向のある人は、脳内のセロトニンが減少している事が報告されており、セロトニンが現象しているということは、下行性疼痛制御機能が働きにくくなっている状態でもあり、そういった人は強く痛みを訴える傾向にあります。その為、うつやその傾向のある人はしばしば抗うつ薬を使用して現象したセロトニンを改善させる事で下行性疼痛制御機能の働きを助け、中枢作用による痛みの軽減を図れると考えられるのです。

 

 

ヒスタミン

・全身組織に存在し、皮膚や気道などの肥満細胞に高濃度に分布している

・アレルギー反応や炎症に重要な役割を持っている

・末梢作用:血圧低下、血管透過性亢進、平滑筋収縮、血管拡張、弱い発痛作用

・中枢作用:覚醒、脳内エネルギー代謝、自律神経機能

ヒスタミン神経が視床下部後部にある神経核から脳全体に網目状に分布する

 

 

《プロスタグランジン(PG)》

・ブラジキニンによって活性化され、ブラジキニンの作用を増強する発痛増強物質であるが、PGは末梢侵害受容器だけではなく、脊髄後角や視床下部で痛みを修飾する。

・侵害受容器からの入力を介して、脊髄の侵害受容ニューロンの興奮性を高めて痛覚過敏を生じる。

・全身感染症の場合は、視床下部を介して痛覚過敏を生じる。

 

 

 これらのことを、まとめると

痛いからと言って必ずしも安静にすることは帰って逆効果になるということなんです。なんで逆効果になるかを理解しているのとしていないのとでは、痛みが出た時の自分自身の対応、心構えが変わるはずです。少なくともがんによる痛み以外は基本的にできる限り動かすことをお勧めします。

 

 

 

でわ、また次回に!

To be continued!✋